「相続」と「遺贈」、どちらも亡くなった方が特定の方に財産を譲渡することでは同じですが、法的な意味は大きく異なります。
たとえば遺言書の中に、不動産を子に「相続させる」と書かれていれば問題ありませんが、「遺贈する」と書かれていた場合、相続人である子は、相続の場合よりもさまざまな制約を受けることになります。
ここでは「遺贈」とは何か、「相続」との違いも含め解説します。
不動産相続でも知っておきたい「遺贈」とは?
「遺贈」とは、遺言により無償で財産を譲ることです。
遺贈を受ける方を「受遺者」といい、条件や制限などはなく、法定相続人やそれ以外の第三者、法人でも指定できます。
これに対し「相続」とは、亡くなった方の財産を法定相続人が引き継ぐことで、それ以外の第三者には権利がありません。
つまり、「遺贈」と「相続」の違いは亡くなった方の財産を譲る相手によって決まることになり、法定相続人に対しては「相続させる」「遺贈する」の両方ができ、法定相続人以外に対しては「遺贈する」ことしかできません。
しかし、法定相続人が遺贈を受けるのはデメリットが多いため、遺言書を書く場合は「相続」という言葉を明記する必要があります。
相続トラブルに注意!不動産を遺贈する場合の注意点
なぜ、法定相続人が遺贈を受けるとデメリットになるのでしょうか。
遺贈に関しての注意点を解説します。
●不動産取得税がかかる
遺贈には「特定遺贈」と「包括遺贈」があり、「特定遺贈」は、財産そのものを指定して渡す方法をいい、「包括遺贈」は財産の割合を指定して渡す方法です。
「不動産を遺贈する」という形で特定遺贈がおこなわれた場合、不動産取得税の課税対象となります。
一方相続の場合、不動産取得税は非課税です。
●相続よりも登録免許税が高い
不動産を相続した場合の登録免許税は0.4%ですが、遺贈の場合は2%となり、5倍の税率がかかることになります。
●相続税が2割加算される
遺贈により財産を取得するにあたり、受遺者が 故人の1親等の血族(代襲相続人となった孫(直系卑属)を含む)と配偶者以外である場合、相続税が2割加算されます。
●登記手続きに手間がかかる
相続の場合は、引き継ぐ相続人がひとりで所有権移転登記をすることができますが、遺贈の場合の登記は、「受遺者と相続人全員が共同して」おこなう必要があります。
相続人全員の署名・押印と印鑑証明書が必要となるため、受遺者が不動産を取得することに賛成しない相続人がいるなどの場合、登記手続きがスムーズに進まない可能性があります。
ただし、遺言執行者(遺言の内容を実行する人)が指定されている場合には、受遺者と遺言執行者が共同すれば登記申請することができるため、遺言書を作成する場合、遺言執行者を指定することをおすすめします。
まとめ
遺贈とは何か、相続との違いについて解説しました。
「法定相続人に法定相割合で財産を引き継ぐ」のであれば、通常の相続となり、遺言書の作成は不要です。
しかし、「お世話になった息子の嫁に財産を引き継ぎたい(遺贈)」などの場合、遺言書が必要になります。
法定相続人以外への遺贈はトラブルになる可能性もあるため、遺言書を作成する際は「遺留分」に配慮し、法定相続人が納得できるように注意しましょう。
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