相続が発生すると、慣れない対応を次々と求められて困ることも珍しくありません。
少しでもスムーズに相続を乗り切れるよう、求められる対応についてはしっかり確認すると良いでしょう。
今回は、相続税評価額とは何か、不動産の相続税評価額はどのように計算するのかをそれぞれご紹介します。
不動産を受け継ぐ際にも要注意！相続税評価額とは
相続が起きた際、相続税の計算にあたってまずは課税遺産総額を割り出す必要があります。
残されたのが現金のみなら対応も簡単ですが、遺産には不動産のような価値がわかりにくいものも少なくありません。
価値が一定ではない遺産をいくらとみなすのかについて、評価方法が財産ごとに定められており、それぞれで価額を個別に確かめます。
このように相続にあたって個別に調べられる各遺産の価額のことを、相続税評価額と呼ぶのです。
不動産は価値が一定ではない財産の代表例であり、遺産に建物や土地が含まれるときは物件の価額を規定の方法で調べる必要があります。
物件の価額が不明では相続税の有無や金額もわからないため、調査は早めにおこなうと良いでしょう。
不動産における相続税評価額の計算方法（家屋・建物）
相続税評価額の計算方法（家屋・建物）は、物件の利用状況によって変わります。
亡くなった方が住居にしていたなど、個人的に使われていた物件では「固定資産税評価額×1.0」で算出するため、計算の元になった数値がそのまま相続税評価額となるのです。
一方、賃貸アパートとして第三者へ貸し出していた物件では「固定資産税評価額×（1－借家権割合×賃貸割合）」で計算します。
借家権割合は建物部分の固定資産税評価額の30％、賃貸割合は借り手が付いている床面積の割合のことで、居住用の家に比べると低い評価額になります。
各用語の意味や具体的な数値をしっかり確かめたうえで、慎重に計算してください。
なお、第三者へ貸しているのが一戸建てである場合、相続税評価額の計算方法がまた変わるので注意が必要です。
不動産における相続税評価額の計算方法（土地）
相続税評価額の計算方法（土地）は、一般的に路線価方式か倍率方式のどちらかとなります。
路線価方式とは、土地1㎡あたりに国税庁が定めた評価額、すなわち路線価を使って土地の価値を調べる方法です。
路線価が設定されている地域における基本的な計算方法であり、具体的には「路線価×各種補正率×土地の面積」で価額を割り出します。
路線価が設定されていない地域では、固定資産税評価額に規定の倍率をかける倍率方式を用いてください。
なお、土地が広すぎたり、賃貸物件の敷地になっていたりすると、価額が通常より低くなる場合があります。
減額要素を見落とすと損なので、対象の条件は事前にしっかり調べましょう。
まとめ
相続税評価額とは、規定の方法に則って調べられた各遺産の価額のことです。
対象の不動産が家屋・建物である場合、物件の利用状況によって計算方法が変わります。
土地の場合は路線価方式か倍率方式で価額を調べるのが基本であるなど、それぞれで計算方法が異なるのでご注意ください。
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